スーパーグローバルハイスクール研究報告書
98/168

−82−第3部SGH実施報告 ウ 今後、扱って欲しい内容は何か  ・実体験がある外部講師をもっと招いて欲しい。  ・世界でおきている紛争について。  ・地球温暖化などの環境問題。生態系や生物保全について。  ・オーストラリアでおきている火災。  ・海外の文化について。  ・人種差別について。  ・ユニセフなど国連の活動について。  ・国際経済について。  ・海外では日本はどのように見られているか。  ・日韓関係や北朝鮮との関係について。  ・イランとアメリカの関係について。  ・フェアトレードの仕組みについて。  ・SDGsについて。  ・スポーツを題材に国際的な視野につなげる(ラグビー、NBAなど)。 エ 国際的な視野を広げるために、高校生として何に取り組むべきだと思うか  ・英語力をつけること。  ・世界について学び、文化や宗教について理解すること。  ・自分は関係ないと思うのではなく、行動をとること。  ・フェアトレード商品を買う。  ・ニュースなどで積極的に情報を集めること  ・ボランティアへの参加。  ・留学生と積極的に接する。  ・コミュニケーション力を上げること。  ・実際に海外に行ってみること。5 実践の評価と展望 この研究開発報告書の第1章「実践の評価」の項目のデータは、第1学年進学・特進コースのグローバルコンピテンシーの自己評価が、国際・啓明コースより延びが低いことを示している。しかし、第2学年では沖縄修学旅行の事前学習を行い、実際に沖縄を訪問してフィールドワークなど様々な学びを通してコンピテンシーが伸びていることも明らかである。 かつて52期生を担当した際に、沖縄研修を通して生徒のグローバルコンピテンシーがどの程度変化するのか、進学・特進コースのみ独自のデータ収集を行ったことがある(※本報告書第3年次を参照)。それによると、ほぼ全ての項目での伸びが確認された。やはり実践を通した学びは、学習者にとって大きな意識高揚につながっている。上記4の生徒アンケートでも、机上の学びだけでなく実体験やフィールドワークがあれば、生徒は学びの実感が持てることを示す意見が多く見られた。 第1学年進学・特進コースのグローバル課題研究は、現状のところ目覚ましいコンピテンシーの向上を示してはいないが、取り組みを継続し、学校独自のカリキュラムとして定着させることが出来れば、より効果は上がると思われる。 今年度で本校SGHの指定5年間は終了するが、次年度以降のカリキュラムへの継続・発展を考える時期である。限られた時間と予算の中で、いかに効果を発揮するかということは、特に実践時間が限られる進学・特進コースであるだけに熟慮が必要である。多くの社会部面で国際化が進む今日の日本において、本校生徒が将来のグローバル人材として活躍するためにも、高校生として身につけておくべき素養とは何か、今一度確認したいと考える。

元のページ  ../index.html#98

このブックを見る