スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−77−第3部SGH実施報告4 気づいたこと、今後こうしたいと思ったことなど 名古屋市役所を訪問した際に、名古屋市役所がプラスチック削減の政策の一環として、ティッシュの包装や水切り袋が段ボール生地になっているものをいただきました。いただいた際に自分たちの私生活を振り返ってみると、ティッシュは汚れを拭くとき、ケガをしたときの必需品となっていましたが、使い切ると包装袋は再利用できないので捨てていました。その行為がプラスチックを増やしているということに改めて気づかされました。またプラスチックを利用している企業にとってプラスチックは、軽く、安価で、加工しやすく印刷しやすいという利点があります。プラスチック削減に当たって、企業との話し合いも必要不可欠であると同時に感じました。 例21 発表日時、発表先(会社、役所名、部署)(1)日時:2019年7月11日(木)     (2)発表先:中部有機リサイクル株式会社2 発表内容(要旨) 私たちのテーマは、中国での廃棄食料の再利用です。社会的背景と克服したい課題として、私たちは3つの案を出しました。1つ目は動画報告で情報を拡散すること、2つ目は各箇所に廃棄食料専用の大きなゴミ箱を設置すること、3つ目はごみ袋の有料化です。しかし、私たちが考えた案はどれもコストがかかり過ぎるため実行が難しいという結論になりました。 課題を克服することにより、様々なメリットがあります。動画広告によって情報を拡散することで、多くの人の目に情報が入り、その結果少しずつ現状を変えようとする人もいるのではないかと考えられます。また、廃棄食料専用の大きなゴミ箱を作ることが可能ならば、ごみ箱を再利用しコスト削減につながるだけでなく、ゴミの回収を促すことが出来ます。そしてゴミ袋の有料化をすることによって、ゴミの量が減少するだけでなく、それにより増えた税収を自治体の政策にあてることで最終的に市民に還元されます。 課題克服のためのアクションプランとして、私たちは3つの案を考えました。1つ目は賞味期限や消費期限が短いものから取ること、2つ目は買った食材に自分たちで賞味期限や消費期限を書いた付箋を貼ること、3つ目は買い過ぎた食品をあらかじめ冷凍することです。私たちのアクションプランを広げるために、お店にポスターを貼ったり、SNSで自ら呼びかけたり、ボランティア活動を行っている部活や団体に協力していただくなどを考えています。その他にもペットボトルや環境ラベルについての案を出しました。3 助言 廃棄食料を再利用して作られるエコフィードは、養豚場で働く人々への応援となります。なぜならリサイクルされた豚のエサは安いので、コスト削減につながるからです。エサは豚だけではなく鶏や魚などに与えても問題は無いことから、エコフィードを多くの人に知ってもらい活用することが廃棄食料の再利用を広げるための1つの方法であると考えられます。また、近年では発展途上国が廃棄食料の再利用について興味を持ち始めていますが、実際行うことは難しいです。その背景には、その国がどのように食料品を扱っているかが問題となります。日本での廃棄食料の再利用についての課題は、食料品の包装に使われるプラスチックゴミです。現在プラスチックゴミを捨てる場所が少なく、リサイクルする場所も少ないためゴミを処理することが出来ません。廃棄食料だけでなく、プラスチックゴミについても考える必要があります。また、人手不足をなくすために工場の環境の改善も必要です。暑さや寒さ、臭いなどを理由としてやめてしまう人が多く、常に人手が足りません。働く人がより働きやすい環境を作る事が、廃棄食料の再利用をしやすくすると考えます。

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