スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−73−第3部SGH実施報告 現在、日本国内に火力発電所の建設計画はありますか。JERAでは愛知県の武豊(石炭)、千葉県での五井(LNG)、姉ケ崎(LNG)、茨城県での常陸那珂(石炭)、神奈川県での横須賀(石炭)を建設中・計画中です。 現在JERAはアジアをメインに事業をされていますが、この先更に他の地域に事業を拡大する予定はありますか。アジアは拠点地域のひとつですが、アジアに限らず世界の各地域で展開しています。今後も、地域を制限せず、事業を展開していく予定です。 現在、ヨーロッパ地域では火力発電の建設は行われていませんが、それはなぜですか。ヨーロッパを対象外にしているわけではありませんが、経済成長の鈍化や再生可能エネルギーの増大等もあってか、ヨーロッパではなかなか有望な事業機会が出てきておりません。 事業を行う国(タイ、ベトナム)と行わない国(中国)の違いを教えてください。海外での事業展開する際には、地元との人脈や制度・文化の理解、地元での知名度など様々な要素が必要になります。このたま、1案件を行い足場ができた国にさらなる事業機会が出てくるというケースも多くなります。JERAとして進出する国を線引きしているわけではありませんが、このような事情や、たまたま有望な案件に当たるかどうかといったことも含め、進出が決まっているという次第です。 アジアに水力発電所などを建設される予定はありますか。現時点で決まって予定はありませんが、有望な事業機会があれば検討していきます。 現在の日本の技術で最も効率の良い発電方式はなんですか。コンバインドサイクル発電方式(ガスタービンで発電するとともに。ガスタービンの排気ガスの熱で蒸気を作り、蒸気タービンにより発電する方式)が現在最も効率が高い発電方式です。ガスタービンの入り口ガス温度が高いほど、熱エネルギーが大きくなり熱効率も向上します。西名古屋火力では、1,600℃と高く、熱効率も62.3%以上あります。現在はさらに高温のガスタービン実用化にむけた材料および冷却技術の開発が行われています。 インドネシアで、石炭火力発電以外の発電所を建設される予定はありますか。現時点で決まって予定はありませんが、有望な事業機会があれば検討していきます。8 第1回フィールドワークを終えて 今回は電力に焦点を当てて研究をしましたが、様々な国と携わっている場で実際に話を聞くことで、一つの焦点から視点を広げることができ、双方的に考えることで、海外との友好関係や貿易についての理解を深めることができました。また、私たちが見ている世界がどれだけ狭いかが分かりました。私たちは事前学習をしていた際、日本の進んだ技術を海外へ提供することが大事だという考えが大きかったのですが、発電所で働いている方は、現地のニーズや文化に合わせて供給を考えていて、私たちより何倍も広い視野をもっていらっしゃることがとても印象深かったです。発電所については、私たちのイメージでは、全てのスペースが工場のようなイメージでしたが、碧南火力発電所は、情報を処理する部屋が広く設けられ、そこでもやはり海外との連携が深いのだと感じました。また、発電所は清潔を保つのが大変であるイメージがありましたが、発電所内の設備のみならず、公害対策にも力を入れているのが分かりました。発電所の真横に畑があることや、情報処理部屋では火力発電装置の音が全く聞こえないことから、火力発電以外の技術も素晴らしいものだとわかりました。9 今回のフィールドワークをどのように研究へ活用するか 今回の研究テーマがインドネシアの火力発電の現状なので、私たちの班にはインドネシア研修に

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