スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−71−第3部SGH実施報告7 日本の技術を海外に輸出しているケースを教えてください。JERAは世界各国で発電事業を行っており、技術者を派遣し発電所の運営・保守にかかわることで、日本の発電所の運営・保守ノウハウを現地に伝えています。8 中部電力管内の発電された電気のうち、碧南火力発電所から発電された電気の割合を教えてください。火力発電所の公害対策について教えてください。碧南火力発電所の昨年の発電実績が約300億kWhでした。これは中部電力管内の発受電電力量の約25%に相当します。9 東京電力と中部電力の火力事業を統合したことのメリットを教えてください。2社の火力事業を統合したことで、LNGの調達量においても発電規模においても世界トップクラスになりました。規模が大きくなったことで、知名度や交渉力が強化されたことが特に大きなメリットです。 JERAが海外で行っている火力発電事業について詳しく教えてください。会社案内のパンフレットp15. 16のとおり、世界各国で燃種もさまざま(天然ガス、石炭、太陽光、風力)に事業展開しています。 JERAは主に火力発電事業を行っていますが、再生可能エネルギー事業などを日本や海外で行う予定がありますか。JERAは再生可能エネルギーにも力を入れており、インドの風力・太陽光、イギリス・台湾の風力、タイの太陽光・風力などさまざまな案件にかかわっており、今後も大きく拡大していく予定です。 現在、JERAの利益の20%が海外発電事業ということですがこの先の事業拡大は予定していますか。2025年には80%に拡大する予定です。海外発電事業と燃料事業をあわせて、2025年までには海外事業で獲得する利益が国内を上回ることを目指します。 インドネシアで、火力発電所を建設しているということですが、環境汚染対策は何をされていますか。高効率の発電方式を導入することにより、同じ量の電気を作るのに、より少ない石炭の消費で済むようになります。このような高効率の発電方式の導入に加え、複数の技術者を発電所へ派遣し、運転技術や知見を反映することで、発電効率や運転の信頼性を高め、環境負荷の低減に努めています。 現在インドネシアで運転をしている火力発電所の発電方式が1基目と2基目で変わっている理由について教えてください。パイトンⅠ(1999年運転開始)亜臨界圧石炭火力パイトンⅡ(2012年運転開始)超臨界圧石炭火力発電技術は日々進歩し、高効率化が進んでおりますので、あとから建設する発電所にはより効率の高い発煙方式を採用しております。 海外に火力発電所を建設する際、ほかの日本企業とともに出資をされていますが、その理由を教えてください。発電事業を行うには、現地政府や地元自治体との調整、資機材調達や燃料調達、発電所の設計・土木工事・機械工事、プロジェクト資金の調達、つくった電気を運ぶための送電ネットワークの手配、その後の運営・保守、など様々な業務が必要になります。1社でそれを行うよりも、ほかの企業と組んで参画をするケースが多いです。

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