スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−52−第3部SGH実施報告1) 授業への関心度(図7)  「ロジカルシンキングの授業は面白くて関心が持てましたか。」という質問については「とてもそう思う」「そう思う」という肯定的回答が65%、「そう思わない」「全くそう思わない」という否定的回答が35%であった。関心があるという肯定的な回答が多かった。2) 授業を通してできるようになったこと(図8)  授業を通してできるようになったことは「小論文を書くこと」84%で一番多かった。3年生は1学期にレポートを書き、基礎的な原稿用紙の使い方などを学習し、2学期で本格的に小論文を作成しためであると考える。また、「論理的思考力」「聞く」「書く」が74%と高い結果が出た。この授業の中で小論文を書いて、グループで評価するという活動の結果このような力がついたと感じると考えられる。特に身についたと思う力は「文章を書く力」「発想力」「表現力」であった。  3年生は「書くこと」が中心にあったため、「話す」「聞く」という活動が少なかった。しかし、大学に入学後にも役立つような「文章を書く力」を身に付けることは3年生にとっては有意義なことであったと考える。2年次をふまえての3年次の学習を考えるなら、ディベートして反対の意見をもとにして自分の意見を述べるなど、議論することによって内容を深めたうえで、小論文に反映するなどの工夫が可能であった。今後の課題としては小論文の評価の観点を考える必要があるのではないかと考える。今回は「主題の明確さ」「論理展開の明確さ」「結論の明確さ」「段落構成」「表記」の点から評価をしたが、生徒独自の着眼点や発想力という評価の観点を加えることにより多面的な評価となり、多様な生徒の個性や独創性も尊重することができると考える。3) ロジカルシンキングの意義(図9)  3年生のロジカルシンキングの参加姿勢の主体性傾向については、ロジカルシンキングが77%なのに対し国語は68%であった。ロジカルシンキングのほうが10%高かった。自由記述ではロジカルシンキングについては「自分の意見を言う」「答えがなく、自分の個性でおもしろい」「自分のことを書かなければならない」「仲間と協力する」という回答があった。  これらのことから、ロジカルシンキングの授業では、国語に比較すると自分の思考が中心にあってそれを言語化して伝えることに特徴がある。1年次からの発想し表現をするという習慣により、3年次には自分なりの考えを小論文にするということができた。生徒からは自分の関心があることについて探究し、発表し、フィードバックを得ることも、楽しいという声も聞かれた。自分のなり考えを表現するということに楽しさを感じたようであった。この力は受験という観点ではあまり役立たないかもしれないが、将来的な観点からすると、大学に入学してから主体的に探究していく力につながる力である。高校でこのような素地を作っておくことは大学で学問をしていくためには有意義であると考える。図7図8図9

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