スーパーグローバルハイスクール研究報告書
65/168

−49−第3部SGH実施報告ロジカルシンキング(第二学年)1 前年度の反省および課題とロジカルシンキングのねらい 本科目は、グローバルコミュニケーション能力を養う「フィンランドメソッド」の手法を参考に、「発想力」「論理力」「表現力」「批判的思考力」「コミュニケーション能力」の5つの力を養うことを目的としている。 第二学年では第一学年の学習をふまえて「批判的思考力」「コミュニケーション力」を養い、人に自分の考えを「効果的に伝える」ことをねらいとする。本学習において期待される効果としては「発想力」「コミュニケーション能力」「論理力」の向上である。そのために、ディベート活動などを行い、自分たちの意見に対しての別の視点からの意見を交換し合うことを通して、多角的かつ柔軟に物事を見る視点を養いたい。 前年度の反省としてグループの役割に貢献できなかったと自己評価した生徒がおり、グループワーク運営に際して工夫が必要であったと報告されている。今年度は、最初にグループ内で役割を明確にして、グループで評価をするという方法をとり、役割を明確化するようにした。2 本年度の実施・展開学習の目的学 習 内 容一学期前半批判的思考力を養う(1)・ディベートの準備・ディベートのやり方を説明する。(手法は全国ディベート甲子園に準ずる)・3人のグループを作り、肯定、否定、ジャッジを決めて簡単なテーマでディベート練習をする。立論、質問、反論を、それぞれ1回ずつ行う。4人がすべての役割を体験できるように行う。一学期後半批判的思考力を養う(2)・ディベート準備。予想される反論、質問などを考え、構成を組み立てる。 立論を完成させる。グループ内で、立論、質問、反論、まとめ、の役割を割り振る。効果的なメモの取り方を考える。・ディベート大会を行い、審判の班、司会進行版も割り振る。・ディベートのまとめとして、ディスカッションの内容を小論文形式にまとめる。二学期前半コミュニケーション力を養う(1)・意見文を書く。フォーマットを示し、話題、主張、理由が明確に分かるように書く。チェックリストに従って、グループワークで他者評価する。・グループワークで意見をまとめる。・データとグラフを読み取り、事実をふまえたうえで、意見文や提案文を書く。二学期後半コミュニケーション力を養う(2)・データを収集し、まとめる。 自分の関心のある人物について情報を収集し、略歴、業績に至るまでの道筋、評価を書いたレポートを作成する。・レポートを評価する。 他者の読んだレポートを読んで、分かりやすく伝えるためにどのような工夫が必要か考えてフィードバックし、自分のレポートの振り返りをする。3 評価 ロジカルシンキングによって身に付く力を分析するため生徒に授業後にアンケート(別添1)を実施した。アンケートは①関心度②ロジカルで身についた力③授業参加姿勢の3つの観点から生徒の自己評価を分析した結果以下のとおりだった。

元のページ  ../index.html#65

このブックを見る