スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−48−第3部SGH実施報告1) 授業への関心度(図1)  「ロジカルシンキングは面白く関心が持てましたか。」という質問について、「とても思う」「そう思う」という肯定的回答が48%「そう思わない」「全くそう思わない」とした否定的回答が52%であった。2) 授業を通してできるようになったこと (図2)  「ロジカルシンキング」の授業でできるようになったことを「論理的思考力」「話す力」「聞く力」「書く力」「話し合う力」「小論文を書く力」「協働学習」「意見を伝える力」の項目で終了時に生徒にアンケートを実施した。各項目の肯定的解答を対比したところ図1のような結果だった。このことから「書く力」「話す力」「論理的思考力」が身に付いたと考える生徒が60%以上だったことが分かる。とりわけ、「書くこと」については70%以上の生徒ができるようになったと考えている。その要因は、授業の評価が成果物中心であったことが考えられる。また「話すについてはグループワークが多かったため、自分の考えたことを話す機会が多かったからであると考える。  特に身についた力については「発想力」「表現力」「論理的思考力」が高いという結果になった。ロジカルシンキングは自分で考え、自分から発言し相手に伝えることを目的としていたからであると考える。今年度はロジカルシンキングの授業の一環としてJICAのエッセイコンテストに1年生全員が応募した。国際コースの生徒にとって国際協力について考え、意見を文章にして伝えることができた機会があったことは有意義であった。3) ロジカルシンキングの授業の意義(図3)  ロジカルシンキングと国語総合の授業に対する参加姿勢を対比したところ図3の結果であった。  授業参加における主体的傾向は国語が57%だったのに対しロジカルシンキングは71%だった。このことからロジカルシンキングの授業では国語の授業より主体的な参加姿勢が見られたことが分かる。  また、生徒に自由記述で国語とロジカルシンキングの授業の相違点についてアンケートを実施した。ロジカルシンキングについては「自分で考える」「自由に考える」「国語は先生が一方的な授業だが、ロジカルシンキングは共に作り上げる授業」などという回答がみられた。ロジカルシンキングは生徒自身が考えたことを発信し伝える言語活動であっため、生徒が主体となっているためにそう感じられたのではないかと考える。生徒が主体的に参加する授業という点で国語の授業とは違う発想の自由を感じられた授業であったと言えるのではないだろうか。生徒が主体的に参加し多様な考え方に触れて意見を交換すること、また自分自身で想像力を使い思考を言語化するプロセスに学びがある点はロジカルシンキングの特徴と言える。  反省点はグループワークでの協働学習や話し合いが効果的に行われていなかったことである。グループワークの機会が多かったが、グループにより参加姿勢に偏りが見られた。双方向のやりとりをしたりするコミュニケーション能力を伸ばすことを考えると、話し合い、相手の話に質問をして応答するなどの言語活動を評価基準に加えることにより、より双方向型の授業になったのではないかと考える。図1図2図3

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