スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−47−第3部SGH実施報告Ⅲ ロジカルシンキング(第一学年)1 前年度の反省および課題とロジカルシンキングのねらい 本科目は、グローバルコミュニケーション能力を養う「フィンランドメソッド」の手法を参考に、「発想力」「論理力」「表現力」「批判的思考力」「コミュニケーション能力」の5つの力を養うことを目的としている。 第一学年においては、5つの力のうち、「発想力」「論理力」「表現力」を中心とした力の養成を目標とする。国際コースで重きをなす日本語での思考、英語への変換作業の根幹である「伝える内容をしっかりまとめる」力を身に付けさせることによって、グローバルコミュニケーションを成り立たせる一助とすることを学習のねらいとする。 また、昨年度の今後の課題としては、論理力の伸びが少なかったこと、生徒の主体性をそれぞれの評価項目に加えることができなかったことが報告されている。今年度は以上の二点において改善をしていきたい。2 本年度の実践・展開学習の目的学 習 内 容一学期発想力を養う・「ロジカルシンキング」とは何か。(導入) マインドマップを作る。バブル同士をなるべくつなぎ、関連付ける。・「私」のマインドマップ作り。・マインドマップを作る(グループワーク) グループワークで一つのテーマを考え、さらに発想を広げる。論理力・批判的思考力を養う・パラグラフリーディング 接続詞や内容の推移に着目し、文章の構成を考える。・意見の理由付け(ペアワーク)(グループワーク) 立場を明確にして理由付け訓練をした後、異なる立場から理由付けをする。 最終的に短い小論文形式にまとめる。・JICAエッセイコンテストに応募するエッセイを書く。【夏休み課題】二学期論理力・表現力・批判的思考力を養う・指定語句で短文作り。 10個程度の指定語句すべてを使い、なるべく短い文を書く。語句を関連付けながら適切な文章の接続方法を習得し、レトリックの知見を広げて文章の技巧を磨く。個人で練習を積み重ねた後、少し難しい語句を用いた短文づくりをグループで挑戦し、グループごとに発表する。・定義付け・解説(ペアワーク)(グループワーク) 辞書の記述に近い、言葉の意味や内容を正確に記述する「定義」を考える。過不足のある定義に対しては対象概念との矛盾点を探す。論理力・表現力・コミュニケーション力を養う・ビブリオバトル<導入> 全国高等学校ビブリオバトル2017決勝戦の動画を鑑賞し、効果的なプレゼンテーション術を用いながら、聞き手を意識した原稿を作成。 ビブリオバトル<発表> 1人4~5人で自推の良書を発表。本に賭ける好奇心と情熱を惜しみなく示した発表を評価し合い、チャンピオンを競う。3.評価 ロジカルシンキングによって身に付く力を分析するため2学期終了後に生徒に授業後にアンケート(別添1)を実施した。アンケートは①関心度②ロジカルで身についた力③授業参加姿勢の3つの観点から分析することを目的とした。なお、今年度の授業では時間数の都合があり、「ビブリオバトル」は実施できなかった。

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