スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−33−第2部SGH研究開発実践の評価(データの収集と分析)Ⅲ シンガポール研修旅行 第2学年啓明コースはシンガポール研修旅行を実施している。第1学年のグローバル課題研究に始まる学びをさらに深める重要な実践的取り組みである。SGH活動の4つの領域(国際開発、国際ビジネス、環境・エネルギー、医療福祉)をもとに、各生徒がそれぞれ研究テーマを設定し同テーマの生徒で班編制をして実践している。ESD学習ともリンクさせグローバルリーダーの育成につなげている。 研修の目的は多民族・多宗教国家シンガポールをテーマにグローバル意識や国際感覚を高めることである。研究テーマとしては4領域の中にさらに具体的な研究対象を設定している。そして現地でのフィールドワークを通して得た見識を加えて論文作成を行った。成果物は代表班が11月のESD学習発表会、12月のHARUHIGAOKA SDGs GLOBAL MEETING 2019において発表する機会を得た。Ⅳ オーストラリア語学研修 本校国際コースは第1学年の3学期に7週間のオーストラリア語学研修を実施している。ホームステイを通して英語のみで生活をし、異文化の中で自分を見つめ、グローバル人材に成長するためのプログラムである。研修地はクイーンズランド州のトゥーンバ市である。 長期間の研修であり、しかも生徒は自力で問題を解決しなければならない。従って事前学習は入念に行っている。ホームステイ中におこるであろう事態へのケーススタディを行い、ウィンターセミナー等を活用して英会話能力を向上させ、オーストラリアの文化や生活習慣も理解しておく。研修の最大の目的は、サザンクイーンズランド大学の教員から英語の授業も受けることである。会話のみならずライティングもしっかりと学ぶ。英語の世界だけで過ごす8週間の経験と学びは生徒を大きく成長させる。 この研修の成果は多く場面で現れるが、特に顕著な例として語学研修前と後では英検の取得率やGTECのスコアに格段の伸張が見られることである。これについてのデータは第2部第1章「実践の評価」を参照されたい。Ⅴ ベトナム研修 平成30年度のベトナム研修は3月後半に行われた。インドネシア研修と並び、SGHの海外研修の中心的な位置づけである。本校のSGH事業は成長著しい東南アジア、東アジアを主な研究領域とし、4つの研究分野(国際開発、国際ビジネス、環境・エネルギー、国際医療・福祉)を対象に課題探究学習を進めている。その研究対象国としてベトナムとインドネシアを設定し、それぞれ会が研修を行っている。 ベトナム研修については、参加は全コースに呼びかけており、意欲ある生徒が研修に参加している。5回の事前学習を実施し、訪問先について調べ、各自のテーマも設定する。主な訪問先はハノイ国家大学外国語学部付属英才高等学校、WHOなどである。 実際にベトナムに赴き、研究内容を現地の高校生やWHOにおいてプレゼンテーションを行った。こうした実践的な学びを通して自分の研究成果に自信をつけることができ、充実した研修になった。また、現地の高校生の学習意欲の高さ、グローバルな視点、日本語学習の成果は本校生徒にとって大いに刺激となった。さらに再開発が進むハノイ市の急速な近代化を目の当たりにし、アジア諸国の経済発展が実感できる研修となった。 なお研修の成果を全校生徒に還元するため、全校集会の場を利用して海外研修報告を行った。

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