スーパーグローバルハイスクール研究報告書
46/168

−32−第2部SGH研究開発実践の評価(データの収集と分析)その3 講演会第8回グローバル講演会「可能性への挑戦~オリンピックからセカンドキャリアへ~」(松村 亜矢子氏) 今年度のグローバル講演会は9月30日(月)に行われた。講演者は中部大学生命健康科学部の松村亜矢子氏で、本校の卒業生である。松村氏は高校在学中からシンクロナイズドスイミングに励み、北京オリンピックに出場したオリンピアンである。オリンピック出場に至る弛まない努力と、人生のそれぞれの段階で次に実現すべき目標を持つことの大切さを生徒に伝えた。そして1度立てた目標を決してあきらめることなく「折れない精神」を持ち続けようと生徒に語りかけた。 松村氏は、現役引退後は大学院で学びを積み重ね、現在は中部大学で教鞭をとり、春日井市の広報大使もつとめておられる。1人の人間としてどのように社会貢献し世界と関わるべきか、SDGsにまで話を広げ、まさにグローバルな話を展開された。スポーツを導入としてグローバル人材になった 卒業生の存在は、生徒を大いに刺激し勇気を与えてくれた。グローバル人材とは、決して学問・研究の分野だけではないことを生徒は実感できた。その4 校外研修の実践Ⅰ 校外研修(第1学年国際・啓明コース) 第1学年国際・啓明コースでは、グローバル課題研究の導入期にAカリキュラムとして、人類共通の課題(グローバル・イシュー)について理解を深め、グローバル・シチズンとして課題解決に臨む姿勢を学ぶ国際理解教育を行っている。続くBカリキュラムでは、4領域(国際開発・国際ビジネス・環境エネルギー・医療福祉)について学び、Cカリキュラムにおいて4領域に分かれてグループ研究を実践している。 これらの学びを深める一環として校外研修を実施しており、従来と同様に地元の企業や国際機関、施設等を訪問し、グループ研究において必要な情報や課題、問題点等の収集を行った。この活動を通して得られた知識・情報をもとにポスターを作成し、12月に実施されたHARUHIGAOKA SDGs GLOBAL MEETING 2019において、グループ別にポスターセッションという形で研究の成果を発表した。Ⅱ 沖縄研修旅行 進学・特進コースでは、SGH・ESDの学びの場として沖縄への研修旅行を実施している。SGH指定以前より、課題研究テーマとして「ESDの観点から沖縄の平和・環境・経済を考える」と設定しており、平成27年度からはここにSGHの視点が加わった形である。第1学年の「グローバル課題研究」の3学期の取り組みから沖縄を題材とし、第2学年での実践とまとめに至る。第2学年の1学期には、中部大学国際関係学部の加々美康彦先生に沖縄の基地問題やメディアの伝え方などについて講演をしていただいた。並行して『新沖縄修学旅行』や情報誌などで沖縄の文化・観光・環境、そして沖縄戦について基本的な事柄を学んだ。 実践年である第2学年では4月より総合的な学習の時間を活用してSGH・ESD学習に取り組んだ。班別テーマ決め、仮説の設定(レポートを作成)、研修ルート立案、折り鶴制作(平和祈念堂での講演に持参)を行った。そして10月の研修旅行でのフィールドワークを経て、仮説を検証しつつレポートを完成させた。その成果は11月のESD学習発表会、12月のHARUHIGAOKA SDGs GLOBAL MEETING 2019において代表班の発表として結実した。

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る