スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−31−第2部SGH研究開発実践の評価(データの収集と分析)その2 グローバル課題研究(3年間のカリキュラムと実践)1 実践の目的とねらい 本校は平成27年度よりSGHの指定を受け、グローバルリーダー育成のための具体的な実践を開始した。国際コースを基幹として、年次進行で啓明・進学・特進コースへと拡大・拡充し、指定3年目以降は全校的な取り組みとなった。 このなかでも第1学年で実践する科目「グローバル課題研究」はその根幹を成すものであり、1年目の第1学年国際コースのカリキュラム開発に始まり、2年目は第1学年の国際・啓明コースでの実践となった。3年目はさらに進学・特進コースへと拡大し、本校独自の科目として全校的な体制ができあった。指定最終年度となった今年度は、すべてのコースの独自性を考慮に入れながら、各コースが工夫をこらし、さらなる内容の充実を図った。 振り返ってみると、我々は初年度の実践に際して以下の効果が期待できるという仮説を想定した(『平成27年度研究開発報告書』を参照)。仮説Ⅰ 3カ年の「グローバル課題研究」を通して得られる力(ア)課題発見能力・設定力や、協働学習を通して他者と協力して問題解決できる力。(イ)論理的思考力・表現を高めることができる。(ウ)多面的かつ総合的なものの見方を身につけることができる。(エ)知的好奇心が喚起され、大学での学びに対する興味・関心が高まり、自律的に学び続ける意欲を醸成することができる。仮説Ⅱ 研究対象国を訪問し、フィールドワークを通して得られる力(ア)異文化を肌で感じ、グローバル社会において必要な多様な価値に触れることができる。(イ)テーマに対する背景知識がないと、本当の意味でのコミュニケーションはとれないことが実感できる。(ウ)グローバル社会で共生する手段として、外国語学習の必要性を実感できる。(エ)国内で研究している内容を実際に現地で確認することにより、学習の達成感や新たな学習課題を見つけ更なる学習意欲を喚起できる。(オ)研究対象国の現状を実際に目にすることで、偏見や先入観を払拭し、世界観を広げることができる。 上記の仮説で立てた事項が実現でき、グローバルリーダーを目指すためのグローバルコンピテンシーを育てることにつなげることが本カリキュラムの目的である。そのために、3年間の学びをAからFの6段階に分けて次第に学びを深化させてゆく流れを設定している。第1学年 A参加型学習による国際理解教育 B4領域の概要理解(専門家講演) この間に領域の選択とグループ編成 C問題認識学習、情報収集、留学生との意見交換、校外学習 この間にプレゼンテーション第2学年 Dゼミ形式での研究、論文作成 この間にインドネシア・シンガポール・沖縄研修 Eまとめ学習(論文完成、プレゼンテーション作成)第3学年 F英語論文完成(国際コース)、プロジェクト提案作成

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