スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−30−第2部SGH研究開発実践の評価(データの収集と分析)第2章 研究開発への取組その1 カリキュラム開発(教科の取組)Ⅰ クリティカルライティング この科目はネイティブスピーカーの指導により、国際コースの取組として実践している。「グローバル課題研究」の内容を英語で論述し、論理的思考力、情報収集力、発進力を向上させることを目的としている。「イングリッシュプレゼンテーション」や「ロジカルシンキング」といった他の科目との相乗効果も期待でき、英語で書くスキルを身につけることができる。SGHカリキュラムの根幹とも言うべき科目であり、英語を学ぶのではなく英語で学ぶ実践と言える。Ⅱ イングリッシュプレゼンテーション 英語の会話能力の向上を意図した科目である。スピーチやディベート、ディスカッションの技術を磨き、英語で発信して自分の考えを相手に伝えるスキルを身につけることができる。ここ数年来、他の科目との横断型の授業展開をしており、相乗効果が現れている。グローバル課題研究の内容を利用して、科目の目的である発信力向上につながっている。生徒は学びの成果を多くの機会で発表したが、こうした場面において見事なプレゼンテーション力を発揮している。Ⅲ ロジカルシンキング 「ロジカルシンキング」は国際コースの国語の一科目として設定している。他者とのコミュニケーション能力を高めるためにペアワークやグループワークを活用し、フィンランドメソッドの手法を用いて実践している。第1学年では論理力と表現力に力点を置き、第2学年では多角的なものの見方を養う批判的思考力やコミュニケーション能力の向上を目指している。「クリティカルライティング」、「イングリッシュプレゼンテーション」の国語版と言えよう。Ⅳ 横断型授業への取組 上記Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3つの科目をリンクさせ、各科目が同じ研究内容を共有しながら思考・知識を深めれば、発進力もさらに高まることが期待できる。本校では指定2年目から本格的に各科目でベース作りを行い、横断型授業を発展させてきた。今年度も引き続き、「グローバル課題研究」の内容を「ロジカルシンキング」で扱い、「クリティカルライティング」では多面的な思考を重視し、「イングリッシュプレゼンテーション」では他の科目で得た論理的思考力を英語で発信する実践を行った。 3科目共通の成果としては、今年がSGH最終年度であることを踏まえ、第1学年から第3学年の「3カ年シラバス」を充実させ、一定の完成形を見た。また、「点数化できるルーブリック」をもとにした評価方法(自己評価・生徒間評価・教員評価)をより精査した。※詳細については、第₃部以降の報告を参照

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