スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−11−第1部SGH研究開発完了報告書8 「5年間の研究開発を終えて」 (1)教育課程の研究開発科目の状況について 本事業に臨むにあたり、新規に₄つの科目を本校の教育課程に設定した。その₄科目とは、「グローバル課題研究」「イングリッシュプレゼンテーション」、「クリティカルライティング」、「ロジカルシンキング」である。前述の、₂「実績の説明」における「SGH教科科目」の(ア)に記載しているとおり、₄科目ともに₃か年のシラバスが完成し、ルーブリックに基づくある程度の評価方法を確立した。なお、(イ)から(エ)のシラバスについては、「研究開発報告書」に記載している。シラバス作成においては、上記の₄科目を意識して横断的に関連付け、さらに、インドネシア研修、ベトナム研修、シンガポール研修といった海外研修をそれぞれ「フィールドワーク」や「研究発表の機会」と位置付けてシラバスを作成した。 (2)高大接続の状況について 高大接続に関しては、現在高校₃年時に希望制で「高大連携クラス」を₁クラス開設している。このクラスは中部大学に進学することを前提としており、高校₃年時に大学の必履修科目10単位を先取りして修得できるカリキュラムとなっている。その科目の授業は大学教員が主として行うが、高校教員とのTTの形で進めている。 (3)生徒の変容について <グローバルコンピテンシー分析> 本校のSGH事業では、グローバル人材として活躍するために必要な₆つの能力の育成を大きな柱としている。₆つの能力とは「①問題に臨む積極性」、「②協働作業を構築する力」、「③創造力・問題解決能力」、「④論理的・批判的思考力」、「⑤判断力(情報活用能力)」、「⑥コミュニケーション能力」である。またグローバル意識の高まりをはかるため「国際意識」の項目も設けている。以上の能力や項目の状況を測るため本項ではグローバルコンピテンシー自己評価表を用いて₄月、₉月、12月の₃回(指定₄年目からは、₄月と12月の₂回)にわたり調査を行っている。 本校には進学、特進、国際、啓明の₄つのコースがあり、平成27年度より第₁学年国際コースからSGH事業として、カリキュラムを変更し、学校設定科目「グローバル課題研究」を導入した。年次進行で順次広げていく申請案どおりの計画に基づいて、平成28年度には啓明コース、平成29年度に進学コース、特進コースが加わった。年度ごとにグローバルコンピテンシーの自己評価結果を報告する。 平成28年度(2016年度12月実施)     (図1)                    (図2)<平成28年度 第₁学年分析(図₁)> 第₁学年における主対象(SGH事業実施)コースである国際・啓明コースと準対象(SGH事業未実施)の特進コースの12月アンケートを比較すると、すべての項目において実施コースの数値が高かった。思考力や判断力には大きな差は見られなかったが、Aカリキュラムにおけるコースを越えた活動やBカリキュラムの₄領域学習の開始、Cカリキュラムの校外学習での情報収集やポスターセッションなどの活動は、生徒の「積極性」「協働作業」「コミュニケーション能力」に対する自己評価を高める結果につながっていることが分かる。<平成28年度 第₂学年分析(図₂)> 第₂学年におけるSGH事業実施コースは国際コースのみである。同様に未実施コースである第₂学年進学コースを比較すると、①と同様にすべての項目においてその数値が高かった。また、コース間の数値差も第

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