スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−10−第1部SGH研究開発完了報告書めるために名称を変更した。なお、この変更は、指定₃年目までに文部科学省に連絡済みである。また、SGH指定後、ベトナム、タイとの学校交流が加速的に深まり、SGH申請時の海外提携校を変更した。   加えて国際交流プログラムの進展に従い、従来のオーストラリア語学研修、シンガポール研修に加えて、SGH指定後にインドネシア研修、ベトナム研修、オーストラリア短期・中期留学プログラムが生まれた。シンガポール、インドネシア、ベトナム研修では、「グローバル課題研究」における課題探究学習の一環として、現地の国際機関、企業、大学、高校等を訪問し、現地で探究活動をしている。また、インドネシア、ベトナムの現地校の生徒も毎年本校を訪れ、相互の学校交流が実現している。 (8)TOEFLの研究について   実際にTOEFL受験に取り組んでみると、TOEFL自体が受験者の急増に対応できず、近隣の名古屋市内の会場受験ができずに、隣県の静岡県まで受験に行かなければないことが判明した。受験の不便さに加えて、受験料の高さと国内大学進学へのメリットが少ないこともあり、受験者がほとんど生まれない事態となった。また、指定₃年目のSGH中間評価(下記₃)の指摘も考慮し、TOEFLの研究は指定後4年目から断念した。   平成27年度指定校を対象に実施されたSGH中間評価における本校の中間評価は以下のとおりである。(1)指定₁年目は対象を国際コースとし、₂年目には啓明コースを加え、さらに₃年目は他のコースにも拡大し、SGHの効果を学校全体に及ぶようにしている方向性は評価できる。(2)また、「グローバルコンピテンシー自己評価」を全生徒対象に実施し、年間₃度試行して生徒の変容を見ようとしている点、多項目にわたりデータが伸長していることは評価できる。(3)しかし、広く様々な活動をしているが、活動の相乗効果を求めるのであれば、どこにターゲットを絞るかも重要であるので、今後検討されたい。 (1)、(2)においては良い評価として受け止め、継続して発展に努めた。(1)においては、申請案どおり、平成29年度には進学コース、特進コースも加え、全コースにおいてSGH事業に取り組む全校体制ができあがった。成果発表の場として、全校₁、₂年生の約1000名から成る「ESD・SGH学習会」を11月に実施し、SGH全国事業報告会を12月に実施している。各会で₄つのコースの代表グループが、学校設定科目「グローバル課題研究」の成果発表を行っている。 (2)においても、引き続き「グローバルコンピテンシー自己評価」を全校生徒対象に実施し、「SGH事業における各コースの変容」や「カリキュラムの単位数とその取組の濃淡におけるコース間比較」を調査し、SGH事業の成果を検証した。 中間評価後、上記の(3)が「改善、再考」のきっかけとなった。中間評価までは、申請案に忠実に事業を遂行することを念頭に₈つの目標の実現に臨んだが活動が多岐にわたったことによって(3)の指摘を受けたと反省した。中間評価後は、本校のSGH事業の中核となる「グローバル課題研究」の₅段階カリキュラムの精査と全コースへの普及に力を注ぎ、発信力を高める英語と国語科目(クリティカルライティング、イングリッシュプレゼンテーション、ロジカルシンキング)を横断的に連携するシラバスを改めて作成した。また、課題研究の発表の機会は、研究活動に対する生徒の大きなモチベーションとなるため、生徒の課題研究が仕上がる時期に成果発表の機会を設けるように校内の行事予定を調整した。

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