スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−117−第4部生徒による成果物第2章 研究論文Ⅰ 第2学年国際コース日本語論文「インドネシアの火力発電の現状と日本企業の進出」3班:牧野圭汰 村井健 蘆田加奈子 小宮山舞子序論      今日、世界中で電気の需要量と供給量が増加するなか、電気エネルギーの生産方法の在り方が重要視されている。特に、日本では東日本大震災以降顕著である。これは、東日本大震災により日本にあるすべての原子力発電が停止を余儀なくされたためである。これにより日本の発電割合は大きく崩れ、火力発電に多くを頼らざるを得なくなっている。このような動向は、日本に限らずヨーロッパなどの多くの先進国でも見受けられる。その一方、東南アジア等の発展途上国では生産方法の見直し以前に、電力設備の確保が急務とされている。電力供給に地域差がある影響で、格差を助長している。なかでも、急速な発展により先進国に劣らない経済成長を遂げているにもかかわらず、生活の基盤となるライフラインの整備が不十分な国がインドネシアである。この国に焦点を当てると、発電方法や配電に問題がある。世界有数の島国であるインドネシアは電力の安定供給に多難を抱えている。主な原因は電力不足であり、低効率の火力発電所、需要に見合っていない発電設備がそれを助長している。インドネシアの火力発電とエネルギー利用の現状を分析した結果、発電所の不足や需要量の急増が見られた。インドネシアは現在、全国に18の火力発電所があるが、これはインドネシア全体の消費量に対し到底十分とは言えない数字だ。また、多くの火力発電所で石炭を主な燃料として発電している。インドネシアは世界9位の石炭埋蔵量を誇り、産出量の78%が国外に輸出されている。わずか22%のみが国内で消費されている。技術力が高く安定供給に貢献している日本の電力会社がインドネシアに参入することと、石炭火力発電をベース電源にすることで、電力問題を解決できることが十分に可能であると本研究より判断した。本論文では、インドネシアの火力発電の現状と日本の電力会社の進出による解決策を考察することとする。東日本大震災図①

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