スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−113−第4部生徒による成果物■調べ学習  自分の関心のある歴史上の人物を調べ、レポートを作成する。【1】 カップヌードルを食べたことがだれしも一度はあると思う。無性に食べたくならないだろうか。そのカップヌードルを作ったのは安藤百福さんだ。私がなぜ彼を選んだのかというと、去年の朝ドラの「まんぷく」を見て、存在を知り、もっと調べたいと思ったからだ。わたしが「まんぷく」のなかで印象に残ったのは、彼が常に人の役に立つことをしたいという思いでいろいろなことをやっていく姿だ。見ていくうちに彼の人柄に惹かれていった。 まず彼のことを紹介したい。彼は若いときから、たとえ第二次世界大戦中でも多くの事業を成功させていった。なぜかというと、彼はこう言っている。「何か人の役に立つことはないかと周辺を見渡すと事業のヒントはいくらでも見つかった」と。しかし、その後、いくつもの失敗や不幸を経験している。無実なのに疑いをかけられ激しい拷問を受けたり、理事長を務めていた信用組合の倒産により財産をすべて失ったりした。当時彼は47歳だ。この歳でこれほどの不幸を経験すれば、再起への希望を失ってしまいそうだ。しかし、彼はそこから「チキンラーメン」の開発に着手し、成功しただけでなく、「世界の食を変える」ほどの革命を成し遂げることになった。不幸を経験したときのことを振り返り彼はこう言っている、「失ったのは財産だけではないか、その分だけ経験が血や肉にとって身に付いた」と。さらに、彼は阪神淡路大震災が起きたとき、大勢の被災者に温かいインスタント麺を提供した。今でも災害が起こるたびに苦しむ人々に提供され続けている。それは戦後の焼け跡でラーメンをすする人々を見て、百福が思った創業理念「食足りて世は平らか」に基づいた行動なのだ。 人はどうしても自分のことを1番に考えてしまうが、「人の役に立ちたい」という純粋な思いで、これほどのことを成し遂げた彼に私は憧れる。私も人の役に立つことを自分で考えて実践したい。レポートを読み合った生徒のコメント

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