スーパーグローバルハイスクール研究報告書
115/168

−99−第3部SGH実施報告Ⅱ インターアクトクラブによるSGHへの取組1.インターアクトクラブ概要 本校のインターアクトクラブは2001年の創部以来地域貢献と国際理解の理念の元、地域密着のボランティア活動を続けている。近年では、障害から健常まで、乳幼児から高齢者までと特に多角的な活動を行っており、その中でも国際理解は重点目標の一つである。その活動の一つとして、フェアトレード商品の研究と、今年度は年間15回の地域のイベントでの物品販売を行ってきた。また、日本で暮らす外国籍の方を招いてのイヤーエンドパーティを企画運営した。長年の活動の継続と地域との連携により、国際的に考え地域で行動するという、実践重視の活動をしている。2.フェアトレード商品販売について 商品は名古屋市でフェアトレード商品を扱っている風’s(フーズ)とカンボジアで女性の就労支援をしているNPOであるアジアンモンキーより購入している。主にチョコレート、コーヒー豆、ドライフルーツ、皮革製品、ハンドメイドのカバンを中心に販売している。 販売計画と並行して、フェアトレード商品自体の研究も行われた。結果としては、フェアトレード商品の開発によるマイナス面や、本当の意味でフェアなのかという疑問が生じた。さらに文化の違いにより、我々が感覚的にアンフェアと感じるにも関わらず、生産者の方も十分な満足感と生活の安定が得られているケースも発見された。 フェアトレード商品に対する疑問点はあるものの、全体としてのフェアトレード商品の利点があることが確認された。また、少しでも多くの人にフェアトレード商品に接してもらうことで、フェアトレードという概念と、いわゆる南北問題について意識してもらえるという啓蒙の意味を込めてフェアトレード商品の販売をしていくべきだという結論に至った。3. イヤーエンドパーティ 春日井市で国際交流と日本語教育を行っている市民団体である春日井KIFと共同で、中部大学の学生食堂を借りてイヤーエンドパーティを開催した。8か国約30人の外国籍の方にお越し頂き、日本人を合わせ総勢50人以上のパーティとなった。会場では各国の郷土料理、フェアトレードのコーヒーなどが並び、けん玉やお手玉、折り紙など日本の遊びを体験できるコーナーも設置された。食事を食べながら、お互い肩肘を張らない和やかな交流ができた。 このように地域でできる活動は、国際理解を現実的に体験できるという上でも大切である。また、この企画を通して、地域で外国人支援を行っている日本人と繋がりを持てたことも意義あるものとなった。4.カルチャーフェスティバル 留学生に対して日本語教育を行っている京進ランゲージスクールと共同で、中部大学の学生食堂を用いてカルチャーフェスティバルを行った。5か国約50人の留学生の方と高校生が、けん玉・折り紙・お手玉というような日本の伝統的な遊びと通して交流し、互いの国歌紹介、民族衣装紹介、現代文化の紹介を行った。各国のお菓子と飲み物が並ぶ中、様々な言語を組み合わせて互いにコミュニケーションをとる姿は、国の違いを軽々と超えた、同じ若者同士のコミュニケーションそのものであった。

元のページ  ../index.html#115

このブックを見る