スーパーグローバルハイスクール研究報告書
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−87−第3部SGH実施報告 沖縄研修旅行に向けての事前学習は、第1学年の3学期からスタートした。最初は導入的な視点を重視して、全体集会やホームルームの時間を利用して、沖縄を身近に感じさせることにつとめた。また、朝読の時間に購入した学習教材を読ませ、教科・科目とリンクして少し専門性を持たせた内容でのアプローチも試みた。 第2学年では、まず全体集会を開き、正式な旅程やESD学習の概要・取り組み方について説明した。その後、クラス単位で個人の研修テーマをもとに研修グループを編成した。こうして、グループ単位で研究テーマに沿った本格的な事前学習がスタートした。生徒はグループごとに研修テーマに沿った事前学習を行い、研修先に対する知見を引き上げていった。また、担任が総合やL・Hの時間に沖縄に関する講話を行うことで、沖縄に対する期待をさらに高めていった。こうして研修旅行当日を迎えた。研修旅行の詳細は後述する。 研修旅行後には研修旅行記の作成に取りかかり、11月に行われるESD学習会では、各コースで選出された代表グループが、研修旅行でのフィールドワークを踏まえた上で発表を行った。そして、研修旅行記を、1月に配布した。3 沖縄研修旅行 1日目 中部セントレア空港での集合時間が朝早かったが時間通りに集まることができ、無事に沖縄研修に出発することができた。初日は平和学習であった。初めにひめゆり資料館とひめゆり平和祈念資料館を見学し、生徒は自分たちと同年代の若者が戦場で悲惨な体験をしたことを実感した。続いて、沖縄県営平和祈念公園に向かい,沖縄平和祈念堂で沖縄戦の講話を拝聴することができた。その後、那覇市内のホテルに国際通りで班別行動を行った。 2日目  那覇市内のホテルからESD学習の一環として、班ごとにタクシーで、研究テーマに関わる訪問先に向かった。そして、訪問先でフィールドワークを実践したり、説明を聞いたり、建物や記念館を見学したりと、計画・立案に沿ったタクシー研修を行った。班ごとに訪問先を経由したあと、2・3泊目に泊まる恩納村のホテルまでタクシーで移動した。計画通りに進んだ班もあれば、計画の変更をしなくてはいけなくなる班もあった。実際に現地を訪問しないとわからないこともあり、フィールドワークの大切さを感じる研修となった。3日目 マリン体験と文化体験にわかれて沖縄体験と美ら海水族館の見学を行った。昨年同様、マリン体験と文化体験は事前に希望をとり、グループではなく個人の希望を優先する形で実施した。午前中に体験を行った生徒は午後美ら海水族館へ、また午前に美ら海水族館へ行った生徒は、午後それぞれの体験へ向かう行程であった。沖縄北部の本部町にある美ら海水族館は、規模が相当に大きく、迫力抜群の水族館であった。日本に数多くある水族館の中でも、この美ら海水族館の評価が高いのがよく理解できた。海洋系の生物に興味がある生徒にとっては、格好のスポットだったと思われる。合わせて多くの生徒にとって、沖縄の生物を体感できるいい機会になった。ホテルに帰着後は、エイサー観賞を行った。沖縄らしい演奏・舞踊であった。ゆったりとしたリズムが、いかにも南方系の雰囲気を漂わせてくれた。演奏者の盛り上げ方も上手で、生徒も大いに盛り上がっていた。ここでも沖縄を満喫することができた。

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